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2018年12月04日 ニュース・プレスリリース

Hmcommが、異音検知プラットフォーム(FAST-D)を活用し、養豚における豚の健康管理・感染病検知の実証実験を開始。

– AIによる異音検知技術により、「畜産の効率化(音の畜産Tech)」へ-

国立研究開発法人産業技術総合研究所(本部:茨城県つくば市、理事長:中鉢 良治、以下 産総研)発ベンチャーHmcomm株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:三本 幸司 http://hmcom.co.jp/ 、以下 Hmcomm)は、熊本県立菊池農業高等高校 (熊本県菊池市 校長:古田 陽一先生 以下 菊池農業高校)と共同で、当社のディープラーニングによる異音検知プラットフォーム「FAST-D」(Flexible Anomaly Sound Training and Detection)を活用し、家畜の罹患を早期に発見するための実証実験を開始することを発表いたします。

近年、畜産業において、家畜の罹患・殺処分や出荷の遅れによる損失は増加の一途を辿り、畜産物の安定供給に大きな影響を及ぼしています。更に消費者の食の安全への意識も高まり、大きな社会問題の一つとなっています。家畜の豚は、呼吸器系の病気を患うと体重が増えずに出荷が遅れるので、それを避けるために罹患した豚を早々に隔離することが望まれます。熟練者は、豚の罹患を聞き分けることができます。
今回の取り組みは、豚の鳴き声をマイクで収集し、AIにより熟練者と同等以上のレベルで「豚の呼吸器系疾病の聞き分けを行う」というものです。

更には、「畜産業×AI×IoT」という新たな挑戦の中で、畜産業の未来を担う若い人材を育成していきたいという、産・学・官 三位一体の活動としても大きな意味合いを含んでおります。
Hmcommは、今後も音から価値を見出し、社会を変革し社会に貢献してまいります。

【エンドースメント】
 今回Hmcomm様が発表された「FAST-Dモデル」は、本校畜産科学科豚舎内でAIを利用し、家畜からの異常音をデータ化し、家畜の異変をいち早く発見することで、病気やケガの拡大を防ぐことを目的として実証実験を行います。AIにより24時間異常音の識別が可能になることで、豚が発病しても初期段階で対処することができ、生産性の向上、治療コストの削減、食の安全性の確保へ大きく前進することが期待されます。

 現在、畜産業を取り巻く環境は、大きく変化してきています。原油価格の高騰により、生産コストの増加、少子高齢化に伴う農業従事者の減少、後継者不足などを受け、畜産業も大規模多頭飼育経営へシフトしている現状があります。また、飼養管理においても労働力を削減するために機械化、自動化が進んでおり、経営規模に対して従業員数は最低限に止めている農家がほとんどです。

 このような現状において、家畜の細やかな観察の徹底や発病した家畜の発見は経営上一つの課題となっています。今回の実証実験は、畜産農家の抱える課題解決へ少しでも貢献できればという考えから共同の実験とさせていただきました。また、異常音のサンプルを授業でも活用させていただき、本校生徒の専門性を高めていくことも期待しております。

畜産業界のみならず、農業全体を見渡しても音声による管理技術・労働力の効率化は未開拓な分野であり、これからの技術革新が大いに期待されると考えております。今後ますますのご発展を期待しております。

熊本県立菊池農業高等学校
校長 古田 陽一

【菊池農業高等学校について】
●学校名 : 熊本県立菊池農業高等学校
●URL  : http://sh.higo.ed.jp/kikuno/
●創立  : 1903年(明治36年)
●所在地 :熊本県菊池市泗水町吉富250
●設置課程:全日制課程 農業科・園芸科・畜産化学科・生活文化科
●校訓・綱領:向学創造の精神を培う/敬愛協同の美徳を養う/勤労剛健の気風を興す

【Hmcomm株式会社について】
●会社名 : Hmcomm株式会社
●URL  : http://hmcom.co.jp/
●設立日 : 2012年7月24日
●所在地 : 本社     東京都港区芝大門2-11-1 富士ビル2階
       熊本AIラボ 熊本県熊本市中央区水道町7-16 富士水道町ビル2階
●事業内容: 産総研発のベンチャー企業として、産総研独自の音声処理技術を基盤とした要素技術の研究/開発、 ソリューション/サービスの提供を行っております。
音声処理プラットフォーム「The Voice」と異音検知プラットフォーム「FAST-D」を基盤とし、「音から価値を見出し、新しい社会を自ら創造していくこと」を理念としています。

【国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)について】
日本最大級の公的研究機関として日本の産業や社会に役立つ技術の創出とその実用化や、革新な技術シーズを事業化するための「橋渡し」機能に注力する研究所。全国10か所の研究拠点で約2,000名の研究者がイノベーションを巡る環境の変化やそれらを踏まえて策定された国家戦略等に基づき、イノベーション・ナショナルシステムの中核的、先駆的な立場で研究開発を行っています。